【感想】COCOON 月の翳り星ひとつ 「月の翳り」編
ブログを開いたことを思い出したので、せっかくなので感想をおいておきます。
※シリーズ作品含めネタバレ配慮なしです。未見作品がある場合ご注意ください。
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月星両方とも初日に観劇。
その後月は劇場で3回、星2回、ライビュで星1回観ました。
計4回ずつ。ずっと月星の順番です。
順番狙ったわけではないけれど、いい感じに観れて嬉しかった。
一番好きな台詞
星は死、そのものだよ。月はそれを悲しんでるんだ。
じゃあ、悲しいっていうのは綺麗なんだね。
特にコメントは無いが、とにかく好きですこの台詞。
月の翳りはこの2人の訣別の話である。そしてそれぞれが過去の「甘えん坊な」「泣き虫」な自分と訣別する話であるとも感じた。
ラストシーンの話。アンジェリコがラファエロにボッコボコにされて、「二度と関わるな」と言われて「嘘だよ、冗談だよ」と縋るの。
なんて素直で可哀想な人なんだろうと。
結局ラフェエロは去っていってしまう。
アンジェリコが蹲りながら泣いて、顔を上げて泣いたところで大量の花弁が落ちてきて暗転。
「泣き虫アンジェリコはもういない」
もし、2人の間だけでも「甘えん坊のラファエロ」と「泣き虫アンジェリコ」を否定しないでいられたら、2人で抱き合うことができていたら何か違っていたかもしれない。
2人の父親であるダリとゲルハルトのようになれなかったのはなぜだろう。
ふたりが甘えん坊と泣き虫でいられるのは、ふたりが一緒にいたからであって、2人が訣別してしまえば「甘えん坊」も「泣き虫」もいない。その訣別は「泣き虫アンジェリコはもういない」というセリフで表されているんだとおもう。
キャスパレ
キャスパレの前から話をしますが、序盤、名の無い繭期の少年達が横たわり、彼らに当たる照明で繭のように見える。
これが繭期のイメージシーンのようで、結構好き。
キャスパレ本編。
アンジェリコとラファエロの握手が弾かれるところから始まり、最後はアンジェリコが本編ラストに声をあげて泣くシーンとシンクロ、非常に不穏な破壊音のようなもので終わる。
ただの感想
最初は家族のもとを離れ、ソワソワしながらクランにやってくるラファエロ。自分より1週間前にきたアンジェリコに安心感を抱く。
最初ラファエロがアンジェリコに感じた安心感に翳りはなかったと思う。無邪気
お父様にお手紙を書いているところでもそれは明白。
うきうきお手紙書いているラファエロかわいい。
君は変わらないな、というアンジェリコにお前気持ち悪いな!とはっきり言っちゃうラファエロ。
ダリとゲルハルトの幻影が見える。
エミールがウルに見えるラファエロ。
繭期愛好家界隈があるのか。絶対関わりたくない。
ろくなもんじゃない。
陰翳ちゃんかわいい。
ゆらゆら動く。
ライネス
月の翳りのライネスは、①でかかり始めて、②が本番(本番とは…)だった
①ラファエロがウルを選ぶところ
②アンジェリコがウルを「お前さえいなければ…!」と殴りにいくところ
①については私が注視しているときは何も見ずにウルを指差していたけれど、アンジェリコを見ながらウルを選んでいるときもあったみたいなので、ここのラフェエロの心情はちょっとわかんない。
ただ、回想前にアンジェリコに僕を選んでくれ!って言われてるときはアンジェリコを見つめていたし、アンジェリコを選びそうな感じすらしていた。
でも赤ん坊の声が聞こえて、ウルと初めて引き合わされた時に不憫な運命を背負ったダンピールである弟を守ろうと思った気持ちをおもいだしてウルを選ぶ。
この回想から時間軸が戻ってくるときに、ラファエロの表情がフッと消えるのがほんとにすごい。
②は、ウルがいなければラファエロは自分を選んでくれるはずなんだ!という、TRUMPにおけるウルポジションですよね。あれ、?しんどいね?
演出
赤い衣装
ラストシーンでアンジェリコとラファエロが着てくる赤い衣装。最初逆光のなかで出てくるんですけど、白い衣装の反射のしかたじゃなくて、なんだろう…?と思ってから衣装が真っ赤だと気づいたとき。
スエミツ~~~!!!!!!!となるよね。
ジュリオが見えていたその人の根幹をなす感情、ラファエロとアンジェリコの赤。
夕陽の赤。血の赤。
とても美しい赤。
アンジェリコのデリコ家とフラ家の誇りをかけて手加減なしで戦え!という申し出を受け、文句なしにボッコボコに叩きのめす。
貴族同士殴り合うの!?!?それが青春なの!?
途中からそこは完全に夕陽に照らされる河原になっていました。
思春期の少年がタイマンで殴り合うのは河原でしょ?(偏見)
繭期の表現
深い繭期=海の底
おくすりを飲むとき、ラファエロがウルの幻影を見てるときとか、ごぼごぼと海に沈むみたいな音がしていた。繭期がひどくなるイメージは海に沈んでいくイメージなのかも。
陰翳ちゃんたちのマスクも心なしか海の生物みたい。
フジツボ説を見たけれど、確かにそれっぽい。
満月
劇中で出てくる月は必ず満月で、満ち欠けをする過程が映されることはない。
何かが起こっているのは必ず満月の夜なんだろう。
満月には繭期が酷くなるとか。
また満月について、ドナテルロがその月を「繭のように美しい月」と称するのは月の美しさと繭期の美しさを同じように見ているのだろう。
でも繭期というのは特異な性質を持ち、ヴァンプの成長過程にあるものでヴァンプとして完全なものではない。欠けていない完全な丸である月の美しさとは相反するものであるように思う。
でもドナテルロは繭期の暴力をを純粋な衝動として完璧なものとして考えているから月と照らし合わせるのだろう。
キャラクターの感想とかは別で書きます。
ひとまずここまで。
星ひとつ編に続く